Case Study
導入事例

株式会社U-MAP 様

従来の工業材料では解決できなかった
様々な課題を解決する新材料Thermalniteを開発

素材メーカーであり、これから生産量を増やすための工場構築の段階での相談。カルテ作成により、何から手を付けてよいのかわからない状態から、やるべきことをステップごとに第三者目線で洗い出した。完成品メーカーとの違いはあったが、ものづくりの原理原則に基づいた議論をすすめることで多くの課題を抽出した。それを言語化して共通認識とすることで経営と現場が一体となって事業推進していく方向付けを行った。

株式会社U-MAP代表 西谷 健治 様

U-MAPの事業内容について教えていただけますか?

西谷

U-MAPは、高い熱伝導と絶縁性をもつThermalniteというフィラー材料を開発しました。この材料をセラミクスや樹脂材料に混ぜることによって高い熱伝導と従来にない機械的特性が実現できます。これらによって高性能化・小型化が進む電子機器で起きている放熱問題を解決しようとしています。


KOBASHI ROBOTICSを最初に利用してみようと思った理由を教えて下さい。

西谷

KOBASHI ROBOTICSのことを知ったのは、まだ工場をつくる途中でした。何から手を付けてよいのかわからなかった最初の段階で、これからやるべきことをステップに分けて明確に洗い出せることが魅力的でした。この最初のステップ化をスタートアップでやるのはかなりハードです。コストや品質などに関して、漠然とした課題感は持っていましたが、自分たちが見えていない課題を自力で見つけるのは難しいです。それを第三者目線で全て取り出して並べてくれるのが嬉しかったですね。利用していなかったら今ごろ、見えていなかった課題が噴出して後手後手に回っていたと思います。これだけ課題があると先に分かっていることが非常に助けになりました。


内田

製造に関わる課題は、先にすべて出し尽くしてから順番に潰していくことが大事だと思っています。時間と人手が限定的なスタートアップで、課題の洗い出しという時間を捻出するのは非常に厳しいです。外から見て足りない点を持ってきて並べてもらえるのは嬉しかったですね。


KOBASHI ROBOTICSを利用して感じたことを教えてください。

西谷

まずリスクの洗い出しの議論だけでも価値があると感じました。議論の中で、コミュニケーションが大事だということを実感しました。私たちの事業領域はディープな素材分野なのでわかりにくかったと思うのですが、対話に時間をかけてフォーマットに落とし込む作業から始めました。その中で、議論や情報提供の仕方を学ぶ側面もありました。実は、こういう対話を通じたサポートを見つけるのは難しく、外部にアウトソースするとしても、情報を開示することには警戒感があり、信頼できるところを探すのは大変なのです。


自社の情報を共有しても大丈夫だと信頼できるポイントはどこにありましたか?

西谷

もちろん最初は少し警戒していました。対話を重ねる中で、研究開発型スタートアップ支援というスタンスをしっかり感じました。何よりKOBASHI ROBOTICSは本気でスタートアップ支援に取り組んでいて、長年のモノづくり経験もあるため、信頼することができました。また、KOBASHI ROBOTICSが競合にならないことも安心材料でした。事業領域が近かったら、腹を割ってお話しすることは難しかったかもしれません。


坂下

事業領域が違うから相談しやすいというのは盲点でした。


西谷

むしろこんなに事業領域が違うのに、KOBASHI ROBOTICSが私たちを支援できると思った理由を知りたいです。


坂下

ものづくりの勘所は、普遍的な部分があるので、事業領域を問わず製造業なら価値貢献できると思っていました。一方で、モノづくりの正解をみんなで考えていきたいという思いがあり、そこの肌感覚が合ったのがうれしいですね。


内田

KOBASHI ROBOTICSではこのように対話の中で謙虚に聞いてくれます。スタートアップの立場を理解しつつ、しっかり伝えるところを伝えて、聞くべきところは深く掘り下げて聞いてくれました。


他にサービスの活用方法があれば教えてください。

内田

ものづくりの難しさは、全問正解がないことだと思っています。できることとできないことでマルバツをつけるとして、バツの中にも色々あって、サンカクにできそうな部分を模索する必要があります。KOBASHI ROBOTICSはすべてがマルにならなくても力強く進めなければならない気持ちを理解して、支援してくれました。バツだけど、どうやって実現しようか。マルを増やしてバツを減らす方法を模索するときに、サービスのひとつである課題を洗い出すカルテの作成が役に立ちます。


西谷

経営者は、生産現場の詳細まで見られない側面があります。すべてマルなのか、いくつバツがあるのか。客観性のあるカルテの作成は、モノづくりのスタートアップにとって、ひとつの価値の示し方として有効だと思います。ひとくちに「できた」といっても、レベル感は人によって違います。カルテによって統一的な基準で整理できます。「できた」の感覚が社内でもバラバラなので、第三者目線で判断してもらえるのが良い部分です。このカルテをベースに、定量的に「今はここまで出来ています、あとこれだけです」と伝えられることで、投資家も判断しやすいと思います。


カルテの作成によって意思決定に変化はありましたか?

西谷

カルテでやるべきことはわかったが、それをどうチョイスしていくかは難しい問題です。やるべきことが明確なものはリソースかけてやればいいのですが、グレーゾーンの項目に関しては、何が必要かを顧客にヒアリングするのが良いですね。その際、何を重要視していくのかカルテの項目を活用できると思います。


内田

B2Bだと顧客もモノづくりの会社であることが多いです。先方の研究開発者と話をしていると、意外と顧客側もモノづくりの課題を抱えていることがあります。顧客の状況を判断するのにもカルテの項目が活用できると思います。


KOBASHI ROBOTICSにどのような印象を抱かれましたか?

西谷

KOBASHI ROBOTICSは、ズレが発生しやすい経営者と現場の認識を刷りあわしていける感覚がありました。カルテだけでなく、ディスカッションそのものにも価値があり、対話を通して全員の認識が統一されていくので、それが信頼につながります。


KOBASHI ROBOTICSはどのようなスタートアップにオススメですか?

西谷

例えば、ちょうど量産に向けた資金調達のために試作品を評価してもらうフェーズのスタートアップです。U-MAPはまさにそのフェーズでした。最初、私たちはその必要性に気づいていませんでしたが、課題を洗い出すカルテを作成してもらい、そのカルテを見て「このレベルが必要なのか」と気づくことができました。


カルテ作成の費用についてどう思いますか?

西谷

社内に課題を洗い出せる人材がいる場合といない場合で、価値が変わってくると思いますが、社内にそのような人材がいるU-MAPでも、利用する費用対効果がとても高いと感じました。また、資金調達のレポートとしても有効であることも、カルテの価値です。リスクを回避するための特許調査や保険のイメージに近いですが、モノづくり経験者でないとイメージできないリスクがある。この認識が対話を通じて改まりました。


最後に、KOBASHI ROBOTICSの改善点を教えてください。

西谷

カルテの次の具体的なアクションを一緒に考えたいですね。判断が難しいグレーゾーンでの意思決定サポートは非常に助かります。


ありがとうございました。

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